ぼったくり 被害が横行する 原状回復

ぼったくり 被害が横行する 原状回復

オフィス・事務所・店舗などテナントの原状回復工事において、ビルオーナー側は貸すことそのものを事業としているため賃貸について詳しく勉強をしています。

しかし、借主側はそうではありません。オフィスや店舗を借りることはあくまで事業のための手段であり、賃貸そのものについては専門的な知識がない場合も多いと思います。

両者にはそのような差があるため、借主側が言われた通りにするしかないと思ってしまう弱みにつけこんで、原状回復の際にオーナーや業者によって ぼったくり が行われる場合があるのです。

ぼったくり と表現してしまうと言葉が過剰に聞こえるかもしれませんが、 ぼったくり というのは、つまり原状回復において適正価格以上の費用がかかったり、借主が本来の義務以上の内容を責任として負担させられたりすることを言います。

具体的には、どのようなケースがあるのでしょうか。

原状回復のはずがグレードアップ

原状回復の意味は「もとの状態に戻す」ことなのですが、このとき、オーナー側からは元よりも良い状態にするグレードアップの工事が要求されている場合があります。たとえば以下のような例です。

  • カーペットや壁紙の張り替えにおいて、入居時よりも品質と費用の高いものが指定される。
  • 普通便座であったトイレを、暖房便座や洗浄機能付きの便座に交換するよう要求される。
  • 旧型の蛍光灯が、高性能なLEDシーリングライトに取り換えさせられる。

このようなことが、借主側に何ら説明もなく、特別の了承を得ることもなくさらりと原状回復工事の内容に含まれている事があるのです。

しかし、これらは原状回復の域を脱した、 ぼったくり とも言うべきグレードアップ工事です。

借主側がこのような点に気づいて追及したときに、

「時代の流れに合った設備に交換する必要があるから」
「以前のものでは耐久性が低いことがわかったから」

などの理由が説明されることもありますが、そのような理由で行われるグレードアップの工事は借主が負担すべきものではなく、オーナー側が自らの負担で行うべきものなのです。

きれいに、状態を良くして新規募集をかけたいというのはオーナー側の都合でしかありません。

どうしても原状回復工事を機に設備のグレードアップをしたいのであれば、借主には原状回復のためにかかる費用相当だけの負担を求め、過剰になる分の費用はオーナー側で支払うなどの交渉が行われるべきです。

元々の仕様・機能を更に良くするための工事を借主に負担させることは、原状回復のついでに、と行われる ぼったくり に他ならないのです。

そもそも原状回復の義務がある範囲とは

上記の通り、グレードアップは借主に本来義務ではないはずの負担を強いる ぼったくり です。

しかし、そもそも原状回復で言うところの「もとの状態に戻す」というのは、実は、入居したときそのままの状態にまで戻すという意味ですらないはずなのです。

原状回復で借主が行うべきことは、故意・過失によって発生した損耗を修繕し、また、入居にあたって増設・移設など変更を加えた箇所を元に戻す事です。

自然に発生した経年劣化や通常損耗については、原状回復のために費用を負担する必要はありません。なぜなら、普通に使っていて当然発生するそれらの損耗の対価は、本来賃料の中に含まれているはずだからです。

ですから、あらかじめ特約によってそれらについても修繕する義務が定められていた場合などを除いては、経年劣化や通常損耗にあたる部分の工事費用を求められることも一種の ぼったくり であると言えるのです。

ぼったくり を回避するために

ぼったくり だとは気付かず言われるままに同意して、必要以上の原状回復工事費用を支払っているケースが世の中にはたくさんあります。

それらを洗い出し、指摘することは、根拠のない値切り交渉やクレームとは違うのです。

工事の内容・その必要性など、きちんと詳細を明らかにして、自分の負担するべき費用だけをきっちり支払いましょう。