原状回復で損をしないために、立会いの重要性

原状回復で損をしないために、立会いの重要性

オフィスや事務所、店舗などの退去の際に生じるトラブルの多くは、契約内容や原状回復を行う範囲について、オーナーとテナントとのあいだで認識のズレが生じることによって起きています。

そのような認識のズレを生まないためには、書面にしてきちんと内容の確認をすること、そして立会いによって実際に目で見て確認をしておくことが重要です。

たとえば、立会いをしておくとよいのは以下のようなタイミングです。

入居前の立会い

原状回復とはもとの状態に戻すことです。そのため、あらかじめ退去のときを見据えて「入居前に建物がどのような状態であったか」を確認しておくことは必須です。

たとえば最初から破損している箇所があれば、その部分について原状回復で工事費用を負担する必要はありません。原状回復で借り主が修繕しなければならないのは、故意や過失によって入居後に発生してしまった損耗のみだからです。

そのため、もともとあった破損や設備の故障については、立会いにより入居前にしっかり確認しておく必要があります。

その際には項目をリストアップして一つひとつ丁寧に確認し、必要な箇所には写真を添付して、オーナーとテナント双方で同じ書類を保管しておくとよいでしょう。

ただし、あまり知られていませんが、実は入居中に損耗が発生したことを主張するために「入居時には破損がなかった」と証明する責任はオーナー側にあります。退去の際に証拠を求められても、テナント側に証明責任はありません。

とはいえ、お互いに納得のいく形で原状回復を行うためには事前の立会いも欠かさないのが一番でしょう。

原状回復見積もり作成前の退出立会い

原状回復を行う前に必ず必要になるのが、見積もりを作成する前の立会いです。

この立会いでは、修繕の必要がある箇所を確認したり、オーナーや業者から工事の内容について説明がされたりします。

テナントは、一方的に提示された見積もりにそのままサインするのではなく、不明な点はしっかり確認しなければなりません。どのような工事が行われることになるのか、それらが本当に必要なのかどうか、立会いによってきちんと確認しておくことが必須です。

しかし、一般的に原状回復やその工事の方法について、借り主は詳しい知識など持っていないものです。専門的な用語が飛び交う中でいちいちそれらの意味を確認するのは心苦しく、なんとなく頷いてしまうこともあるでしょう。

そのため、このような立会いの際には専門的な知識を持つ業者などに同行・代行を依頼するのもひとつの方法です。

費用が確定して合意した後で「やっぱり費用が高すぎる!」と主張するには訴訟が必要になる場合も多く、手間や費用がかかります。

見積もりを作成する前の退出立会いの際に、行うべき原状回復工事の内容についてしっかり明らかにしておきましょう。

原状回復完了後の立会い

上記の2つが必ずやっておきたい立会いのタイミングとなりますが、トラブルを回避するためにはもう1つ立会いを行っておきたいタイミングがあります。

それは、原状回復完了後の立会いです。

確実に原状回復が完了したということを明確にするためには、工事が終わった後にも一度立会いによる確認を行っておけば完璧です。これには、オーナーから工事が不充分だったと言われて後からトラブルになることを防ぐ目的があります。

原状回復が行われるのは退去してから明け渡しまでの期間なので、既にオフィスや事務所、店舗は別の場所に移転した後になるでしょう。そのため移転先が遠い場合などは難しいかもしれませんが、気持ちよく退去するために、特に不安の残る場合は最後の確認を行っておきましょう。